@techreport{oai:suac.repo.nii.ac.jp:00001082, author = {鈴木, 元子 and SUZUKI, Motoko}, month = {2015, 2016-12-14}, note = {27-9, 文化政策学部長特別研究費, アメリカのノーベル文学賞受賞作家ソール・ベロー(Saul Bellow, 1915~2005)の小説を、階級・文化・教育の視点から研究した。ベローがロシア出身のユダヤ人を両親にもつユダヤ系移民2世であったことに着目して、19世紀末から20世紀末にかけて、彼の同胞がどのようにアメリカ社会に同化し、社会階層を上昇していったか、及びそれに伴う彼等の意識の揺らぎについて描いた作家であったことを論証した。さらにH27年度は、その視点を日本文学に向け、比較研究を試みた。, 平成25年4月~平成26年3月 ベローの中・長篇小説を分析・研究。論文・論考をまとめて単著・共著として出版。 平成26年4月~平成28年3月 ベローの最後の長篇小説 Ravelstein (2000) の邦訳と推敲。 平成27年4月~平成28年3月 ベローの小説と、日本人作家(遠藤周作や村上春樹)の小説との比較研究。, ソール・ベロー文学の従来の読みから抜けだし、文学と文化・歴史が接触する地平での新しい読みを探ることができた。ベローはユダヤ人移民2世の自分と同じように、2つの世界に生きる者たちを小説の主人公に据えた。移民2世たちは大学教育によって下層から富裕層や知的エリートへと跳躍したが、急激すぎて、歪みや怖れ、各種不安定さを経験することになった。社会経済的に上昇移動しても、アメリカ型資本主義に完全には迎合することができず、高い精神性を希求したり、ユダヤ教的遺産を憧憬するなど意識の振り子は揺れた。語りや物語構造、ジョーク等でフィクションライターとして高度の技術を披露しつつも、その実、冷徹な観察眼には鋭い文化・歴史認識があったのだ。, PDF, 【著書】 (1)『ソール・ベローと「階級」』(彩流社、平成26年2月) (2)『ユダヤ系文学に見る教育』(共著、大阪教育図書、平成26年3月) (3)『ユダヤ系文学と「結婚」』(共著、彩流社、平成27年4月) (4)『ラヴェルスタイン』(出版準備中) (5)『ソール・ベローの後期作品研究』(仮)(共著、彩流社、平成29年出版予定) 【紀要論文】 (6)「ソール・ベロー作 『ラヴェルスタイン』―1章1節―(翻訳)」『静岡文化芸術大学研究紀要 第15巻』(平成27年3月) (7)「Saul BellowのRavelstein にみるチックの語りの妙技」『静岡文化芸術大学研究紀要 第16巻』(平成28年3月) (8)「隠れユダヤ教徒と隠れ切支丹――ソール・ベローと遠藤周作の小説考――」(仮)『静岡文化芸術大学研究紀要 第17巻』(投稿準備中) 【口頭発表】 (9)「失われた片割れを求めて――ソール・ベローの『ラヴェルスタイン』から――」(日本ユダヤ系作家研究会、於:青山学院大学、平成26年9月20日) (10) 「『階級』と文化の変容――ソール・ベローのThe Actual」(日本アメリカ文学会中部支部大会、於:名城大学、平成27年4月26日) (11) 「対話の変容――Ravelstein を中心に」(日本ソール・ベロー協会大会、於:青山学院大学、平成28年9月6日予定) (12) シンポジウム「ソール・ベロー文学の“Jewishness”」(日本ユダヤ学会、於:神戸女学院大学、平成28年11月26日予定)}, title = {階級・文化・教育の視点からのアメリカ文学研究}, year = {} }