@techreport{oai:suac.repo.nii.ac.jp:00001293, author = {舩戸, 修一 and FUNATO, Shuichi}, month = {2016, 2017-12-15}, note = {重点目標研究, 昨今、中山間地域において65歳以上が半分以上占める集落を「限界集落」と呼び、いずれ消滅すると考えられている。このように「年齢構成」だけで集落の存続性を判断する考え方が主流になりつつある。しかし「他出子」――集落を出た子どもたち――が実家に戻り、農作業を手伝い、食料品を届け、「家族関係」によって実家が支えられている現実がある。よって「年齢構成」ではなく「家族関係」から集落の存続性を議論する必要がある。 本研究では、浜松市の中山間地域において増加しつつある空き家の実態調査だけでなく、その集落の存続可能性を「他出子」の実態調査から考察する。, 平成27年度 天竜区佐久間町「山香地区」「城西地区」についての調査 平成28年度 天竜区佐久間町「佐久間地区」についての調査, 平成28年度は、浜松市の中山間地域である天竜区佐久間町佐久間地区(平成29年4月1日現在:940人)を事例として調査した。まず空き家について調べたところ、この地区内には空き家が195件あり、その内、少なくとも「住める空き家」は102件あることが分かった。その中で所有者が戻って空き家を使っているのは84件(82.4%)であった。そもそも空き家が住めるのは、所有者が定期的に帰っている結果でもある。一方、所有者が戻ってこない「住める空き家」は18件(17.6%)あった。このような空き家は、中山間地域への移住者を促進させる有効な資源になり得る。このような資源を集落で活用していけば、新たな集落の担い手確保になり、今後の集落維持にもつながっていく。 次に、「他出子」について調査した。具体的には、他出子が、①どれくらい存在し、②どこに住み、③どれくらいの頻度で実家に通い、④実家や集落とどのようなかかわりをしているのかを調べた。その結果、佐久間地区では「他出子」は718人おり、その半分は車で2時間くらいの近隣に住んでいることが聞き取り調査から分かった。またアンケート調査(回答者154名)から、実家に年1回も通わない他出子は全体のわずか1%に過ぎず、年3~4回実家に通う他出子が最も多く24%いることが明らかになった。さらに実家とのかかわりについては、「遊びに来る」が25%と最も回答が多く、「親または親戚の様子に見に来る」が22%、「墓参りに来る」が17%であった。一方、集落とのかかわりについては「自治会や班の共同作業に参加する」が0%、「自治会や班の祭礼に参加する」が3%であった。以上のように、実家とのかかわりを定期的にもつものの、集落とのかかわりが薄いという他出子の実態が明らかになった。今後は、集落維持のためには、実家とのかかわりだけでなく、集落との関係性を密にしていくことが求められる。, PDF, 平成29年度は、地区の下部にある集落単位で「他出子」の実態調査をしている。具体的には、佐久間町佐久間地区の「下平集落(18世帯)」と「羽ケ庄集落(9世帯)」を対象として、それぞれの集落に住む全世帯の方々に聞き取り調査を行っている。その調査結果についても、それぞれの集落の集会所で調査報告会を開催し、その調査結果を集落住民の前で発表する。さらに集落住民の了解のもと、「他出子」本人へのアンケート調査ならびに聞き取り調査をする予定である。他出子についての先行研究では、他出子の帰郷は今後の集落維持にとって重要であると指摘しながらも、「他出子」の帰郷意志については、実家に住む親世代への聞き取りであり、「他出子」本人に帰郷意志を伺ったものではない。そこで、今後は他出子本人への調査を実施し、本人の帰郷意志を確認していく。その調査結果についても、それぞれの集落の集会所で調査報告会を開催し、集落住民の前で発表する。こうして他出子の帰郷意志を集落住民で共有し、今後、他出子を集落に帰郷させていく地域づくりを地域住民とともに実践していく予定である。, 28-4}, title = {浜松市の中山間地域における空き屋の文化資源的価値についての研究 : 浜松市天竜区を事例として}, year = {} }