@misc{oai:suac.repo.nii.ac.jp:00001473, author = {大上, 美来}, month = {2018-03-31, 2018-04-05}, note = {2017, PDF, 本研究の目的は、宿場町の歴史性を活かしたまちづくり活動の実態を浮き彫りにしつつ、失われた風景文化を再現するための条件を明らかにすることである。本研究における風景文化とは、有形の文化財だけでなく、伝承、記憶、心象風景、食文化、あるいは近年に行われている建物の修景を含めた幅広い動きのことを指している。 歴史的な風景に対する保全制度は整えられてきた。ところが、未だに文化財ありきの優品主義や、建物が重要視されるハード主義の傾向にある。住民が形成・伝承してきた遺産や人々の記憶が想起される場を、歴史を活かしたまちづくりの観点から取り上げ、新たな保全策を示す必要があると考えた。このためには、日本が歩んできた歴史的風景を壊してきた歴史を振り返りつつ、近年、行われてきている風景文化の保存の法整備や施策を検証する。 分析の視点として、米国の都市計画家ケヴィン・リンチが1960年に提唱した環境イメージを構成する3つの成分を用いる。リンチによると、都市のイメージは「アイデンティティ」「構造」「意味」の3つの成分で構成される。本研究では、アイデンティティを「地域が宿場町であった価値を認識すること」、構造を「宿場町の空間」、意味を「宿場町にまつわるエピソード」と置き換え、分析を試みた。この視点をもとに、宿場の人々が自らの地域イメージをいかに変容させていったかを浮き彫りにし、失われた風景文化の再現につながる条件を提示したい。 本研究で取り上げた事例は、東海道五十三次のうち、品川宿、川崎宿、保土ヶ谷宿の3か所である。いずれも関東大震災や太平洋戦争の空襲、戦後の都市開発などの要因によって、歴史的な建築物が消失した地域である。 リンチの理論をもとにした3つの視点から分析したところ、失われた風景文化を取り戻すためには3つの条件が必要であることが分かった。①外部への発信、②地域固有の構造、③宿場町をめぐるストーリーの再構築である。歴史的建築物が存在しなくとも、上記3つの条件を満たすことができれば、失われた風景文化の再現は可能であった。, 修士(文化政策), 静岡文化芸術大学}, title = {失われた風景文化を再現する東海道宿場町の試み:ケヴィン・リンチの思想から}, year = {} }