@misc{oai:suac.repo.nii.ac.jp:00001649, author = {磯部, 志げ子}, month = {2020-03-31, 2020-03-31}, note = {2019, PDF, 本研究は、肢体不自由児養護施設ねむの木学園が果たしてきた社会的意義を、社会的包摂の観点から明らかにした。特に、障害の社会モデルおよび家族の包摂機能に注目して分析をした。社会的排除/包摂概念については、阿部彩の定義や岩田正美の理論を援用した。研究方法としては、設置者他への面接聞き取りを含む現地調査と関連文書の精査である。さらに、比較のために、類似の重度障害者施設であるオランダのヘット・ドルプ、太陽の家、クリエイティブサポートレッツについても文献調査とともに現地調査を実施した。 ねむの木学園は、養育する家族のいない心身障害者に、家族的環境や教育機会を提供することによって、社会的に排除されていた障害者たちが社会参加できる仕組みを構築し、包摂される環境を実現した。具体的には、ねむの木学園の社会的包摂活動の特徴として次の6点が挙げられる。(1)国や自治体による制度が制定されていなかったにもかかわらず、創設者の個人的努力で家族的および教育環境を整備し実現させた、(2)差別や偏見への対応として、障害に関する認識や価値観を再構築するために、象徴的な短い言葉で自分たちの活動理念を表現した、(3)独自の教育方法で障害者の才能を伸ばし育てたことにより、エンパワーした、(4)働く場と機会を提供することにより、障害者の社会参加と地域社会および健常者との交流を促進した、(5)障害者が「家族」として参加することにより、自己肯定感を向上させ、主体性が育まれた、(6)社会的包摂の言葉や概念が存在しなかった時代に、その理念を先取りしたコミュニティとして設立し運営し新たな挑戦をしている事実は、社会的包摂の在り方に貢献し進化させ続けている。 日本の障害学では、「脱施設」と「脱家族」が政策の方向性として重視されてきた。しかし、本研究では、ねむの木学園は、施設として運営され、かつ、家族的な環境を実現しているにもかかわらず、結果的に、入所者も学園全体もさらにねむの木村全体も社会的に包摂されていることが明らかになった。この事実から、障害者政策、ひいては社会的包摂の在り方について学ぶべきものは大きい。, 修士(文化政策), 静岡文化芸術大学}, title = {社会的包摂とねむの木学園:宮城まり子の活動に着目して}, year = {} }