@techreport{oai:suac.repo.nii.ac.jp:00000697, author = {二本松, 康宏 and NIHONMATSU, Yasuhiro}, month = {2009, 2013-09-04}, note = {文化政策学部長特別研究費, 伝統猟法としての放鷹は、ただ獲物を捕るための技術というだけのものではない。古代より鷹狩は貴紳社会における文化的教養であり、武家社会においては心と技の実践的な修練として伝承されてきた。 近年、放鷹文化への関心が高まりつつあるなかで、その研究は、歴史学、文学、民俗学といった各分野から注目されている。また、鷹狩の文化は朝鮮半島から中国、中央アジア、アラブ諸国、そしてヨーロッパへと繋がってゆく文化伝承の道「鷹の道(Falconry Road)」として、国際的な視野からの研究も始まっている。  静岡にゆかりの深い徳川家康は、鷹狩りをこよなく愛した武将としても知られている。秀忠に将軍職を譲り、大御所と称して駿府城で暮らすようになってからは、禰津松鶴軒や小林家鷹といった名だたる鷹匠たちを多く召し抱え、高禄をもって遇している。駿河から遠江にかけては盛んに鷹狩が催され、駿府城を中心に鷹狩の文化が花開いた。静岡県は、ユーラシア大陸から続く「鷹の道」がたどり着いた、いわば「鷹狩の都」である。  そうした特筆すべき歴史的風土にありながら、これまで静岡では、文化としての「鷹狩」に市民の関心が向けられることは、ほとんどなかった。徳川家康以後の将軍家の鷹狩がおもに江戸近郊で催されたこと、江戸幕府から宮内庁に伝わった伝統的な放鷹術が市民の目に触れる機会に乏しかったこと、動物保護の観点から鷹狩がある種の誤解を余儀なくされてきたこと、などがその要因としてあげられる。 ごく最近になって、我が国における伝統的な文化遺産としての鷹狩がようやく再認識され始めてきた。そうした機運の中で、徳川家康にゆかりの「鷹狩の都」ともいうべき静岡県こそ、郷土にゆかりの文化と歴史的風土として放鷹を再認識し、地域文化として全国に発信してゆくにふさわしく、その期待が多方面から寄せられている。静岡県民には、そうした歴史的風土への期待と注目を、ぜひとも自負してほしいと願うところである。  そのために、本学を拠点として静岡県各地における「放鷹文化講演会」の開催を企画することにした。市民的なムーヴメントを高めるためには、自治体と連携して、放鷹術の実演を開催する。また、市民にもわかりやすく、かつ専門の研究者にも刺激を与えるような最新の研究成果を公開する場として、鷹書研究会と連携して、公開講演会を開催する。その「実践」と「学術」のコラボレーションにより、静岡県の地域文化として「放鷹」への文化的関心を高め、歴史的風土への自負を啓発し、放鷹文化の伝統と美、そして自然との共生を全国に向けて発信してゆくことができれば、と願う次第である。, 放鷹文化講演会「徳川家康公と鷹狩」の開催  平成21年11月14日(土) ◇放鷹術実演(駿府公園) 諏訪流放鷹術保存会 ◇公開講演会(アイセル21) ・家康の鷹狩と江戸・駿府  岡崎寛徳(慶応義塾大学兼任講師) ・「鷹」の文化史―芸能と絵画の観点から―  須田悦生(静岡文化芸術大学特任教授) 主催  静岡文化芸術大学    共催  静岡市、鷹書研究会   協力  諏訪流放鷹術保存会 後援  静岡新聞社・静岡放送、テレビ静岡、あさひテレビ、静岡第一テレビ、NHK静岡放送局 特別後援  久能山東照宮, 伝承文学研究会平成21年度大会における研究発表  平成21年9月6日(日) 二本松康宏 『曽我物語』における鷹狩り-畠山重忠鷹談義の位置付け-, 放鷹文化講演会「徳川家康公と鷹狩」について 当日の朝から予期せぬ暴風雨となり開催が危ぶまれたが、予定時間直前に気象が回復したので、規模を縮小して実施した。そうした悪条件のため観覧に訪れた市民は予定よりも少なかったが、古式放鷹術の実演を観覧し、また鷹匠たちとのふれあいを通じて、放鷹文化への理解は深まったものと思われる。また、午後からの公開講演会では、事前申し込み制にしたことが功を奏し、約150名の来聴を得た。報道各社の取材も多かった。, 伝承文学研究会平成21年度大会における研究発表について  『曽我物語』における畠山重忠鷹談義をめぐって、源頼朝の富士の巻狩りの位置付けと「鷹狩り」の関係を論じた。その成果は、現在、論文として執筆中であり、同じタイトルで『説話・伝承学』第19号(説話・伝承学会、平成23年3月31日)に掲載する予定である, PDF, 人・もの・社会のより良いあり方や人と自然との関わりについての研究, 21-文学-9}, title = {放鷹文化講演会の開催 : 静岡から発信する放鷹の伝統と美}, year = {} }